安室奈美恵は“ゴーヤチャンプルー”のイメージを一変させた。 |BEST TiMES(ベストタイムズ)

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安室奈美恵は“ゴーヤチャンプルー”のイメージを一変させた。

安室奈美恵さんの引退を沖縄から見た。

■沖縄県民の願いはとにかく安室奈美恵さんに「幸せ」になってもらうこと。

 そんな安室奈美恵さんが引退を発表したのは去年であったが、私個人や周囲の同世代の沖縄県民からは「引退して幸せになってほしい」という声が圧倒的に多かった。

 それは、生い立ちのことや、数年前に壮絶な事件で母親を亡くしている経緯身近で見聞きしてきたから。そしてなにより感謝があったから。安室奈美恵さんが、県民の心の奥底にあった“沖縄コンプレックス”を吹き飛ばしてくれた。

 

 さて、今回の引退が決まり半年ぐらい経ったころであろうか。「ラストコンサートは沖縄で行われる」という噂が立ち始めた。時期を同じくして、街中いたるところで、安室奈美恵さんの広告やポスターを見かけるように。

 噂が県外にまで広まると、ポスターなどを写真におさめようと、県外から安室奈美恵さん目当ての観光客が、引退旋風にわく沖縄に押し寄せるようになっていた。新聞によると、その経済波及効果は、沖縄県だけで何百億もあったらしい。

 そして、ついに世紀のスーパーアーティストのコンサート会場が決定すると地元沖縄では、

「これだけのファンがいる中でどうやってホテルから会場に移動するのか?」

「どこのホテルに泊まっているのか?」

 という話題で皆もちきりになった。

「船をチャーターして海岸線沿いに移動するはずだ」

「いやいやヘリをチャーターして空からの登場ではないか」

「そういえばあの高級ホテルに宿泊するらしい」

 そんな派手な噂が飛び交った。

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神里 純平

1979年生まれ。沖縄県在住の会社員。

中堅のリサイクルメーカーにサラリーマンとして勤務し、会社内から出る産業廃棄物の収集運搬やグループ内の在庫移動の業務に従事する毎日。少年の頃には紆余曲折があったが、現在は友人たちと一緒に、仕事後や休みの日に子どもたちに格闘技を指導することがライフワークとなっている。好きな言葉は「人生一生雑巾がけ」。著書に『沖縄裏の歩き方』(彩図社)がある。


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